« 2009年6月 | トップページ

2009年7月

「変える」「代える」「換える」「替える」

原則:
変化、変更などは「変える」。代用、代理、代役、交代などは「代える」。交換、換金、置換、転換などは「換える」。交替、代替などは「替える」。
用例:
「予定を変える」「レイアウトを変える」「生まれ変わる」「季節の移り変わり」「住所が変わる」「変わり身が早い」「血相を変える」
「あいさつに代える」「店長の代わり」「投手を代える」「お代わり」「名刺代わり」「肩代わり」「身代わり」
「チケットをお金に換える」「小切手の金額を書き換える」「住宅ローンを借り換える」「空気を入れ換える」「次の駅で乗り換える」「人質と引き換えに」「言い換えると」
「日替わり定食」「建て替える」「住み替える」「着替える」「替え歌」「替え玉」「吹き替え」「模様替え」「衣替え」「代替わり」「年度替わり」

「かえる」のほかに「かわる」という動詞があり、その連用形として「かわり」という形もあります。比較的意味が似ていてやっかいな同訓異字ですが、大きく分けるとすれば、「変える」と「代える」「換える」「替える」となります。後者の3つで迷ったらひらがな書きにするのが原則です。『標準用字用例辞典』では、「変える」以外すべてひらがな書きになっていますが、限定使用の「遺伝子組み換え」「予算組み替え」や、「振替」「両替」「替え歌」「替え玉」「替え地」などの熟語は例外的に許容されています。

「代える」「換える」「替える」の中でも特に「換える」と「替える」は境界線があいまいで、辞典でも同じように扱われていたりします。基本的に、「換える」は別の何かと交換する、「替える」は前の物を新しい物にする、という違いがあるものの、それだけではすべてカバーしきれないのが現状です。換金という熟語から見れば「円をドルに換える」、為替という熟語から見れば「円をドルに替える」など、見解が分かれているものも多くあります。

迷ったらひらがな書きにする前に、原則のように同じ意味の熟語を思い浮かべてみます。「店長の代わり」は「代理」、「空気を入れ換える」は「換気」といった具合です。また、「乗換」「引換」「日替わり定食」「吹替」のように、日常よく目にする熟語を覚えておくと使い分けがしやすくなります。ここで注目したいのは、「交代」と「交替」という同音異字です。用字用語辞典では「交代」に統一するのが原則ですので、両者は同義と考えてよいのですが、「かえる」等の訓読みで使用する場合、主に人に対しては「代える」とします。にんべんの漢字であることがその根拠となっていますが、そういう意味で「お代わり」は少し特殊かもしれません。よく口にする言葉であるものの、書く機会があまりないからか正しい漢字表記が周知されていないようです。

ここで平日の連載は一区切りとさせていただきます。来週からは不定期の書き込みになりますが、今後もこのブログを迷ったときの辞典がわりに活用していただければ幸いです。毎日ご愛読いただいた方はありがとうございました。

|

「刺す」「指す」「挿す」「差す」

原則:
突き通すのは「刺す」。物や方向を示すのは「指す」。木や花は「挿す」。「注す」「射す」「点す」の意を含めその他一般的には「差す」。
用例:
「串を刺す」「とげが刺さる」「鼻を刺すにおい」「くぎを刺す」「本塁で刺される」
「方向を指す」「メーターが時速100kmを指す」「名指しする」「将棋を指す」
「花瓶に花を挿す」「挿し木をする」「かんざしを挿す」
「傘を差す」「嫌気が差す」「地域に根差す」「しょうゆを差(注)す」「日が差(射)す」「目薬を差(点)す」

「注す」「射す」「点す」、いずれも表外音訓のため「差す」に置きかえます。よく工事現場などで「指差し確認」という表示を見かけますが、辞典的には「指さし」とひらがな書きになります。「人さし指」も同様です。「指指し」「人指し指」と「指」がだぶって具合が悪いためですが、ひらがな書きを嫌って「指差し」「人差し指」と「差し」を当てるほうが、そのうち一般的になるかもしれません。また、指を使うためか、将棋は「指す」とするのが興味深いです。

|

「取る」「撮る」「採る」「捕る」「執る」

原則:
一般的には「取る」。撮影は「撮る」。採取、採用は「採る」。捕獲は「捕る」。職務に当たる、扱うは「執る」。
用例:
「手数料を取る」「資格を取る」「汚れを取る」「コップを取る」「年を取る」「悪意と取る」「時間も手間も取る」「メモを取る」
「写真を撮る」「隠し撮り」
「山菜を採る」「新人を採る」
「魚を捕る」「生け捕り」
「指揮を執る」「筆を執る」

ほかに、「獲る」「穫る」「摂る」「盗る」「録る」がありますが、いずれも表外音訓のため、「獲る」は「捕る」で置きかえ、その他は「取る」かひらがな書きにします。一般的には「取る」、その他は用例のように限定的に使用し、迷ったらひらがな書きにします。『標準用字用例辞典』では、「手数料を取る」「資格を取る」「汚れを取る」までの「取る」、「撮る」、採用の「採る」は漢字書き、それ以外は「捕る」「執る」も含めてひらがな書きとなっていますが、「生け捕る」「召し捕る」「捕り物」などの慣用句は漢字書きが許容されていますので、注意が必要です。

写真や映画の「撮る」ですが、ビデオを撮影するのは「撮る」、録画するのは「と(録)る」となります。獲物は「捕る」ですが、用例の山菜のほかキノコや木の実、貝や昆布などは「採る」となります。

|

「止まる」「留まる」「泊まる」

原則:
「stop」の意は「止まる」。動かないように固定する、そこにとどまるのは「留まる」。宿泊、停泊は「泊まる」。
用例:
「電車が止まる」「水道が止まる」「時計が止まる」「流れが止まる」「血が止まる」「息が止まる」「立ち止まる」「呼び止める」「突き止める」「せき止める」「止まり木」「歯止め」「口止め」
「ピンで留める」「ボタンを留める」「目に留まる」「心に留まる」「気に留める」「一命を取り留める」「一発で仕留める」「警察に留め置く」「土留め」「帯留め」「留め袖」「書留」
「宿に泊まる」「泊まり込み」「泊まりがけ」「泊まり客」「船が港に泊まる」

もう一つ、車などが「停まる」という同訓異字がありますが、表外音訓のため「止まる」に置きかえます。いずれも動詞ですが、「とまる」のほかに「とめる」という形があります。派生して、「踏みとどまる」「押しとどめる」など「とどまる」「とどめる」の形もありますが、読みを区別するためひらがな書きにします。『標準用字用例辞典』では、「泊まる」以外はひらがな書きになっています。「泊まる」は完全に他の2つとは意味が異なりますが、「止まる」と「留まる」は意味が似ていて明確に使い分けしにくいので、どちらか迷ったらひらがな書きにします。「足止め」は「足留め」とする辞典もあり、見解が分かれています。不測の事態で動けない状態は「足止め」ですが、その結果そこにとどまることになる状態は「足留め」となるわけです。

|

「飲む」と「のむ」

原則:
主に液体は「飲む」(=「drink」)と漢字書き。それ以外は「のむ」とひらがな書き。
用例:
「水を飲む」「酒を飲む」「飲み食い」「飲みかけ」「飲み干す」「がぶ飲み」「飲み明かす」「飲み倒す」「飲みつぶす」
「蛇が卵を丸のみした」「たばこをのむ」「要求をのむ」「条件をのむ」「波にのまれる」「雰囲気にのまれる」「相手をのんでかかる」「息をのむ」「涙をのむ」「かたずをのむ」「うのみにする」「こつをのみ込む」「早のみ込み」「煮え湯をのまされる」

ひらがな書きにするほうは「呑む」という漢字を当てるものもありますが、表外漢字のため一般に使用しません。用例のように、比喩的表現はひらがな書きにすると覚えておくといいでしょう。薬は、『標準用字用例辞典』ではすべて「飲む」ですが、『記者ハンドブック』など、粉薬やドリンク剤は「飲む」、錠剤は「のむ」と使い分け、種類が不明なときはひらがな書きとする辞典もあります。

「飲む」は酒にまつわる熟語が多くあります。「飲み倒す」は酒を飲んで代金を支払わないこと、「飲みつぶす」は酒を飲んで財産をなくすことで、「身上をつぶす」ともいいます。飲み過ぎて動けなくなることを「つぶれる」といいますが、「飲みつぶす」と「飲みつぶれる」は似ているようで意味が異なりますので注意します。ちなみに、「潰す」「潰れる」は表外漢字ですのでひらがな書きにしますが、新常用漢字表に漢字・読みともに追加される予定です。飲み明かすのはいいですが、飲み倒したり飲みつぶして人生が破綻しないようにしたいものです。自戒を込めて……

|

「早い」と「速い」

原則:
主に時間に関する「early」の意は「早い」。主に速度に関する「quick」「fast」「speedy」の意は「速い」。
用例:
「予定より早い」「あきらめるのは早い」「早起き」「気が早い」「早い者勝ち」「のみ込みが早い」「いち早く」「遅かれ早かれ」「素早い」「手っ取り早い」「早い話が」「火の回りが早い」「矢継ぎ早」「早くも1年」
「頭の回転が速い」「テンポが速い」「ペースが速い」「走るのが速い」「球が速い」「川の流れが速い」

「はやい」という形容詞ですが、副詞の「はやく」、名詞の「はやさ」という連用形があり、「はやまる」「はやめる」という動詞もあります。「早い」はある時間より前という意で使用します。違いがわかっているようで、実際には迷うことも多い同訓異字です。「宅配ピザを頼んだら予定より早く来た。このピザ屋は配達するのが速い」――このような使い分けになります。

|

「乗る」と「載る」

原則:
物の上に上がる、乗り物で移動する、調子や動きに合わせるなどの行為や動作は「乗る」。掲載、記載、積載、搭載の意は「載る」。
用例:
「踏み台に乗る」「子供をひざに乗せる」「子供を車に乗せる」「リズムに乗る」「風に乗る」「波に乗る」「軌道に乗る」「時流に乗る」「図に乗る」「調子に乗る」「おだてに乗る」「口車に乗る」「相談に乗る」「その手には乗らない」「1万円の大台に乗る」「化粧が乗る」「脂が乗った魚」「電波に乗せる」
「新聞に記事が載る」「週刊誌に写真が載る」「メニューに載る」「車に荷物を載せる」「棚に荷物を載せる」

「乗る」の使用は用例のように多岐にわたりますが、「載る」は人以外に対して限定的に使用します。同じ車でも、人なら「乗る」、物なら「載る」となります。いずれも「のる」のほかに「のせる」の形があります。

難しいのは、物を置くときの「のる」です。荷物を置いたり積み込むのは「積載」とイコールで結びつけやすいのですが、「机の上に載っている本」「テーブルに皿を載せる」「パンにチーズを載せる」など、何かの上に物を置いたりトッピングしたりするときは、イメージ的に「積載」と結びつけにくいため、使用頻度の高い「乗る」とするほうが多いようです。東京の方言「のっける」も、辞典には「乗っける」「載っける」両方の記載がありますが、実際には「載っける」はあまり見かけません。そういう意味で、本来は「載る」とすべき場合でも、上記の用例以外は「乗る」も許容しているのが実情です。

|

「匂う」と「臭う」

原則:
物から発散し、漂ってきて嗅覚を刺激するにおいのうち、好ましくないもの限定的には「臭う」、その他全般的には「匂う」。
用例:
「花が匂う」「芳香剤の匂い」「ステーキが香ばしく焼ける匂い」
「トイレが臭う」「排水口が臭う」「生ごみの臭い」「犯罪の臭い」

「におう」は動詞ですが、「におい」という連用形で使用することが多くあります。「匂」は、新常用漢字表に追加予定の表外漢字です。「臭う」は、新常用漢字表の読みに追加された表外音訓です。よって、現時点では「におう」とひらがな書きにするのが原則となっています。

好ましくないものが「臭う」なのは、「臭(くさ)い」というもう一つの読みによります。「匂う」は好ましくないもの以外全般的に使用しますが、特に好ましい場合は「香る」とします。生ごみの臭いを好ましいと感じる人はいないと思いますが、においの感じ方は人それぞれ異なりますので、例えば焼き肉がおいしそうなにおいであれば「匂い」、胸やけしそうだったり煙のにおいが不快に感じるなら「臭い」と使い分けます。同様に、トイレのドアをあけて好ましい芳香剤の香りがしたら「匂い」、悪臭がしたら「臭い」とし、どちらとも言えなかったり感じ方によらない場合は「匂い」かひらがな書きにします。

|

「解ける」と「溶ける」

原則:
ほどける、ほぐれる意は「解ける」。固体が液体になるのは物質が溶解するのは「溶ける」。
用例:
「ひもが解ける」「帯が解ける」「緊張が解ける」「打ち解ける」「問題が解ける」「なぞが解ける」「誤解が解ける」「謹慎が解ける」「雪解け」
「アイスが溶ける」「砂糖が水に溶ける」「暑さでアスファルトが溶ける」「氷が溶けて薄くなったジュース」「地域社会に溶け込む」

ほかに「融ける」という同訓異字もありますが、表外音訓のためどちらかに置きかえます。また、金属は「熔ける」とする場合もありますが、表外漢字のため一般に使用しません。比較的使い分けしやすい同訓異字ですが、用例に「雪解け」とあるように、自然現象としての「氷が解ける」は「解」のほうになりますので、同じ氷でも注意が必要です。

※原則の「溶ける」定義が適切でなかったため修正しました。(2016/01/12)

|

「特」「得」「徳」

原則:
他と異なりそれ一つだけ、とりわけの意は「特」(=「special」)。「損」の対語は「得」。品性、恩恵などは「徳」。
用例:
「特に注意する」「特技」「特色」「特性」
「得をする」「得な性分」「20円の得」「お買い得」「お得な品」「得点」「得意」「会得」「損得」
「徳を積む」「徳が高い」「早起きは三文の徳」「不徳の致すところ」「徳用品」「道徳」「人徳」

「とく」の同音異字はほかに「匿」「督」「篤」がありますが、ここでは間違えやすい3つの字を取り上げました。「特」は「特に」という副詞として使用することが多いと思いますが、「得に」という変換ミスをよく見かけますので注意します。「得」と「徳」は名詞と形容動詞の形があります。「得」と「徳」は意味がかぶる部分もありますが、基本的に用例のような使い分けをします。

|

「的確」「適確」「適格」

原則:
間違いないことは「的確」(=「適確」)。資格にかなうのは「適格」。
用例:
「的確な判断」「的確に伝える」「的確に処理する」
「適格審査」「適格者」「適格条件を欠く」(=「欠格」)

「的確」と「適確」はほぼ同義と考えてよいですが、「的確」で統一するのが一般的です。法律などでは「適確」を使用する場合もありますので、混在しないよう注意します。いずれも名詞と形容動詞の形があります。

|

「努める」「務める」「勤める」

原則:
努力は「努める」。任務は「務める」。勤労は「勤める」。
用例:
「解決に努める」「サービスに努める」「努めて平静を装う」
「司会を務める」「議長を務める」「役員を務める」「案内役を務める」
「会社に勤める」「勤め先」「勤め人」「定年まで勤め上げる」

「努める」と同義の「勉める」「力める」は表外音訓のため「努める」に置きかえます。いずれも語源は同じですが、原則の意味で使い分ける比較的ポピュラーな同訓異字です。変換ミスをしないよう注意します。

|

「体制」「態勢」「体勢」「大勢」

原則:
(恒久的・長期的)組織などの仕組みやシステムは「体制」。(一時的・部分的)物事に対する構えや状態は「態勢」。体の構えや姿勢は「体勢」。物事の成り行きは「大勢」。
用例:
「国家体制」「資本主義体制」「防衛体制」「反体制」「新体制」
「厳戒態勢」「出動態勢」「着陸態勢」「受け入れ態勢」
「体勢が崩れる」「体勢を立て直す」「無理な体勢」
「大勢に影響しない」「大勢に従う」「大勢を決する」

「たいせい」の同音異字はほかに、衰える「退勢」、成し遂げる「大成」、変化に適応する「耐性」などがありますが、ここでは比較的意味が似ていて間違えやすい4つの言葉を取り上げました。

「警備体制・態勢」「24時間体制・態勢」など、「体制」は恒久的・長期的、「態勢」は一時的・部分的な意味で使い分けることがあります。飛行機の「着陸態勢」は、『標準用字用例辞典』では「態勢」、『記者ハンドブック』では「体勢」と、そのとらえ方によって見解が異なります。「大勢」は「たいせい」と「おおぜい」、両方の読みがあります。

|

「食料」と「食糧」

原則:
食べ物全般、穀物など主食以外を含む場合は「食料」。穀物など主食となる食べ物は「食糧」。
用例:
「食料品」「食料自給率」「携帯食料」
「食糧庁」「食糧管理制度」「戦後の食糧難」

辞典的には、米や麦などの主食となる食べ物に関しては「食糧」とすることになっていますが、各社ごとにその使い分けが微妙に異なるだけでなく、「食料問題」と「食糧問題」のように場合によって使い分けることもありますので、迷いやすい同音異字といえます。よく議事録に登場する役所言葉としては、「食糧」の使用頻度が高いように見受けます。「糧」は「かて」と読みますが、「生きていく糧」のように生きていくために必要な大事な食べ物、すなわち主食に関することかどうかで判断します。ちなみに、「しょくもつ」と読ませるときは「食物」ですが、「たべもの」と読ませるときは「食べ物」と「べ」を入れます。

|

「多様」と「多用」

原則:
いろいろ、さまざまの意は「多様」。多く用いる、多忙の意は「多用」。
用例:
「多様な人種」「多様な価値観」「多種多様」「ライフスタイルの多様化」
「外来語を多用する」「御多用中のところ」

もう一つ、ほかの使い道・用事の意の「他用」という同音異字があります。意味が全く異なりますので、使い分けで迷うというより、変換ミスの多い同音異字といえます。どちらも名詞ですが、「多様」は形容動詞の形もあり、「多用」は下に「する」を付ける形があります。

|

「ひげ」

原則:
「髭」「鬚」「髯」、いずれも表外漢字のため「ひげ」とひらがな書き。

同じ「ひげ」でも3つの漢字があります。大辞泉より引用です。

「髭」は口ひげ、「鬚」はあごひげ、「髯」はほおひげをいう。

漢字書きにするときは、上記に従って使い分けが必要ということになります。

今回はコネタマからネタ拝借し、休憩を兼ねて表外漢字・表外音訓について書きます。

個人的に、男性のひげはステキだと思います。この「すてき」ですが、「すばらしい」の「す」に接尾語の「てき」を付けたものらしく、「素敵」も「素的」も当て字だそうです。一般には「素敵」がよく使用されると思いますが、『記者ハンドブック』などでも「すてき」とひらがな書きになっています。ただ、この場合、ひらがな書きでは感じが出ないので、「ステキ」とカタカナ書きにしました。以前、触れたことがありますが、ここで取り上げている表記はあくまで原則です。この「触れる」は漢字書きですが、『標準用字用例辞典』では「ふれ回る」のように広く知らせる意はひらがな書きになっています。ほかに「狂れる」という同訓異字がありますが、表外音訓のため「気がふれる」などとひらがな書きにします。

ひげの思い出を一つ。中学のころ、友達に借りたレコードで初めてRCサクセションに出会いました。音楽や詞も衝撃的でしたが、それと同じくらい、清志郎の唇の下に生やしているひげが気になって仕方なかったのを覚えています。先日亡くなっていろんな思い出がよみがえりました。「ころ」の「頃」、「よみがえる」の「蘇る」「甦る」、いずれも表外漢字なので、原則ひらがな書きにします。

もう一つひげの思い出としては、子供のころ、父の無精ひげにさわったときの、亀の子だわしのような痛気持ちよかった感触が懐かしいです。そう考えると、比較的長く伸ばしているひげよりも、イチロー系の無精ひげのほうに魅力を感じます。さわってみたい衝動に駆られるので、実はひげフェチかもしれません。「触る」は表外漢字・表外音訓ではありませんが、『標準用字用例辞典』ではひらがな書きになっています。「触れる」と「触る」は送り仮名に注意が必要です。




コネタマ参加中: 男の人のひげってどう思う?

|

「中身」と「中味」

原則:
◎「中身」、○「中味」

『記者ハンドブック』や『標準用字用例辞典』など、大半の用字用例辞典で採用している「中身」を◎としましたが、「中味」は併記している国語辞典もあり、間違いではありませんので○としました。諸説ありますが、基本的にはどちらも同じ意味ですので、使い分けということはありません。

|

« 2009年6月 | トップページ