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「沸く」と「湧く」

原則:
煮立つ、熱狂するのは「沸く」。生じる、出るのは「わ(湧)く」。
用例:
「お湯が沸く」「場内が沸く」「勝利に沸く」「沸き上がる」「沸き返る」「沸き立つ」
「温泉がわく」「涙がわき出る」「しらみがわく」「実感がわかない」「勇気がわく」

「湧」及び同義の「涌」は表外漢字のため、「わく」とひらがな書きにします。「涌」は「涌井」のような人名で使用しますが、動詞の「涌く」は一般に使用しません。用例のように、「沸く」には「沸き上がる」「沸き返る」「沸き立つ」のバリエーションがありますが、「わき出る」は「湧く」のほうです。同じく「湧く」のほうの「わき水」はひらがな書きですが、「湧水(ゆうすい)」は、『標準用字用例辞典』では例外的に「湧水」と漢字書きで、『記者ハンドブック』では「わき水」に置きかえとなっています。

「降ってわいたような災難」は「湧」のほうです。「血わき肉躍る」も「湧」ですが、「沸」を当てる辞典もあり、見解が分かれています。「沸く」と「湧く」の違いを感覚的に表すと、「沸く」はどっと、ふつふつと、「湧く」はじわじわと、こんこんと、といった具合ですので、血が煮えたぎるほど興奮するようなら「沸」、勇ましく武者震いするようなら「湧」と、感覚によって決めてもいいでしょう。

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