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「後」「跡」「あと」

原則:
先、前の対義語は「後」。何かが残したしるしは「跡」。残りの意で副詞的に用いるときは「あと」とひらがな書き。
用例:
「後を受ける」「後を頼む」「後を引く」「後がない」「後から行く」「後で話す」「会議の後」「後の祭り」「後を絶たない」「犯行の後」「容疑者の後を追う」「後をつける」
「食べ残しの跡」「跡を継ぐ」「苦心の跡」「跡形もない」「立つ鳥跡を濁さず」「跡を絶つ」「犯行の跡」「容疑者の跡を追う」「跡をつける」
「あと5分かかる」「あと1問で終わり」「あと2人必要」

ほかに、「傷痕」の「痕」、「城址」の「址」といった同訓異字がありますが、いずれも表外漢字のため「跡」を使用します。ただし、「じょうし」と読む「城址」は一般に許容されています。

「後」と「跡」には原則のような意味の違いはありますが、もともと同語源のため混同しやすい場合もあります。各用例の最後に4つ、一見同じようですが使い分ける用例を並べてみました。

「後を絶たない」と「跡を絶つ」ですが、「後を絶つ」「跡を絶たない」のように逆はありません。前者は「絶え間なく続く」「ひっきりなし」の意ですが、後者は「ぷっつりと途絶える」「消息を絶つ」という違いがあります。「後を絶たない」は人気ラーメン店の行列に並んでいる人を、「跡を絶つ」は遭難者の足跡がそこで消えてしまった様子をイメージしていただければと思います。

「犯行の後」は時間、「犯行の跡」は証拠です。「容疑者の後を追う」は追跡、「容疑者の跡を追う」は捜査です。「後をつける」は尾行、「跡をつける」は痕跡を残すことです。サスペンスドラマを思い浮かべてみるといいかもしれません。

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