« 「従って」と「したがって」 | トップページ | 「感心」と「関心」 »

「整える」と「調える」

原則:
「整理」「整頓」「整然」「整備」等の意は「整える」。「調達」「新調」「調味」「調節」等の意は「調える」。
用例:
「服装を整える」「準備を整える」「体調を整える」
「婚礼家具を調える」「味を調える」「音程を調える」

「整える」と同義で「斉える」という表記がありますが、現在では一般に使用しません。

上記のような原則は示しましたが、かなり迷いやすい同訓異字と言えます。用例には、確実に使い分けたほうがよい例を挙げました。しかし、「調整」という言葉があるようにどちらも似た意で、使い分けの境界線があいまいになっています。どちらかというと「調える」よりも「整える」のほうが使用頻度が高いようで、あいまいな部分のほとんどは「整える」とされています。

用例にならえば、旅支度は「調える」ですが、身支度は「整える」になります。前者は、旅に必要なものをそろえたりすることで「調える」、後者は、顔を洗ったり服を着がえたりして身なりをきれいにすることで「整える」というわけです。では、髪はどちらでしょうか。朝起きて乱れた髪をとかしたりするときは「整える」、理容店などで髪を切ったり刈ったりするときは「調える」となります。「整髪」「調髪」という似た言葉がありますが、「調髪」はカットなどの前工程、「整髪」はセットなどの後工程のことをいいます。厳密に言うとそういう違いがあるのですが、ほとんどは髪を「整える」で済まされていて、それでも特に問題がなくなってきているのが現状です。

楽器の音程、リズムやテンポなどの調子は「調える」で、「調音」「調律」という言葉があります。体調や呼吸は「整える」で、「整体」という言葉があります。このように使い分けが難しいので、迷ったらひらがな書きにすることをおすすめします。

|

« 「従って」と「したがって」 | トップページ | 「感心」と「関心」 »

同訓異字」カテゴリの記事