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「所」と「ところ/どころ」

原則:
「place」の意で、概して「場所」と言いかえられ、空間的な場所を指すときは「所」と漢字書き。それ以外は「ところ」とひらがな書き。
用例:
「近い所にある」「口の右上の所にあるほくろ」「所変われば品変わる」「所構わず」「所狭しと」「至る所」
「今のところ」「聞くところによると」「ちょうど始まるところだ」「そこがいいところだ」「知るところとなる」「目指すところの理想」「訪ねたところ不在だった」

「それ以外はひらがな書き」と少々乱暴な分け方をしましたが、ひらがな書きの用例は、「知るところとなる」が形式名詞、「目指すところの理想」が連体修飾語、「訪ねたところ不在だった」が接続助詞と、名詞の「所」とは異なる文法的役割があるものの、それだけでは使い分けの根拠として不十分であり、また、実際には文法を意識して使い分けをしているわけではないため、あえてシンプルに原則を示しました。

「所変われば品変わる」「所構わず」「所狭しと」「至る所」の「所」は場所を指しますので漢字書きになりますが、『標準用字用例辞典』では「至る所」のみ「至るところ」とひらがな書きになっていますので、これに準拠する場合は注意が必要です。

接続助詞の「ところが」「ところで」は、「訪ねたところ不在だった」の類ですのでひらがな書きにします。

「ところどころ」は意見が分かれますが、漢字の「所々」は「しょしょ」とも読むことから、「ところどころ」と読ませたい場合はひらがな書きにします。

「米どころ」「つかみどころ」「見どころ」「きれいどころ」と濁る場合は、いずれも「どころ」とひらがな書きにします。「お食事処」「お休み処」という表記を目にすることがありますが、「処(ところ)」は表外音訓です。固有名詞やあえて意図して使用する必要があるとき以外、「ところ」と読む「処」は使用しません。

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